桜の道具、始めましょう
樺細工(かばざいく)の樺って、山桜のこと。
桜と武家屋敷の光景がうつくしい東北の小京都
秋田の角館(かくのだて)より、
山桜のうつくしい樹皮をつかい、武士の
手内職として育った「樺細工」の登場です。
江戸時代の粋な技をたいせつに受けつぐ
冨岡商店の品々は、その丁寧なたたずまいと
手しごとの気品で、ふわりと心地いい時間を
いつだって運んでくれます。
お茶の時間が待ちきれない
いつものお茶だって、
種類や産地を気にしてみたり。
見過ごしていたちょっとしたことを大切にしたくなるから
よりお茶がおいしく感じられます。
だって、桜の皮の工芸は世界でもなかなかない珍しさ。
天然桜の表情と、一生ものといえるくらいの上質感。
そこはかとない愛らしさも
使うたび心をくすぐります。
紅茶・ハーブティー・コーヒー保存にもおすすめです。外にも中にも樺を張った伝統工芸品のうれしい機能性。
機能的な金属の茶筒も素敵ですが、冨岡商店では昔ながらの木型と樹皮。
「やっぱり内側も桜皮かなあ。お茶に雑味がしないんですよ」と社長さん。
樺をつかうと保管物に金物の匂いがつきにくい。だから、とても手間がかかりますが、内側もていねいに樹皮の容器を作ります。見た目も美人でしょう?
「樺細工は呼吸する」といわれています。
樹皮って自然の素材。樹皮ならではの特性でとてもつよく、しかも筒の中の湿度をとりこんだり吐き出したり、お茶やコーヒーは湿りすぎず乾きすぎず。おいしさに意外に欠かせない鮮度をまもります。
ふたを開けると、ふわりと漂う香り。きつくなく、ゆるくもなく、スッと開閉できる絶妙の密封感。内ぶたも樺張りで、やはりぴったりとはまります。このファジーで気持ちいい密封性こそ、機械ではなく今もかわらぬ手作業だからこそできる、精密な仕事。鮮度とあわせてお茶をベストな状態で保存してくれます。
春ともなれば山桜の白に染まる里山。その桜の木々に登って樹
皮を少しいただく。皮を光沢をもつ部分までそっと削り、ニカ
ワとコテで木地にゆっくり張りつける。どの行程一つとっても
伝統職人の志と技を感じずにはいられません。
せっかく樺細工を入手するなら、こんな昔から変わらぬ素敵な
本物の価値まで愉しみたいですね。
樹皮のいろいろな表情を愉しんで
樺を知りつくす冨岡商店では、
長い経験と技をもとに生まれた
トレイ、茶筒、名刺入れなどなど
樹皮のビジュアルや特性を
デザインに活かしたアイテムが、
いろいろ選べるのも素敵です。
(トレイは秋田の「曲げわっぱ」と
コラボしています)
じつは、おなじ山桜の樹皮でも
飴色のつやがうつくしい無地皮や、
マット感が粋なチラシ皮…。
なんと、あめ皮、ちらし皮、ひび皮など
12ほども細工の種類があるんですよ。
仕上げ方で雰囲気ががらりと変わるのも
樺細工の奥の深い魅力のひとつ。
あなたのお供にするのはどれでしょう?
角館の武士のハンドメイド「樺細工(桜皮細工)」
経済産業大臣指定伝統工芸品
樺細工は、みちのくの小京都ともいわれる桜と武家屋敷の観光名所、秋田県・角館(かくのだて)の名品です。山桜の樹皮を使って作られることから「桜皮細工」ともいわれ、その工法は、江戸時代中期に秋田県北部の阿仁地方に伝授された山桜の皮細工の技術を角館・佐竹北家の武士、藤村彦六が習得したのが始まりと伝えられています。
秋田の角館が日本で唯一の産地であり、国指定の「伝統工芸品」にも認定されています。今なお都を訪れた人々におみやげとして求められる、そんな名品です。
樺細工の魅力は、なんといっても山桜の樹皮の美しさ。また、樹皮ならではの特長から古くは薬入れや煙草入れなど湿気を避ける大切な品々にも使われました。
樹皮の種類や技法により、さまざまな表情を持つ樺細工。そのどれもが、楚々として決して華美でない奥ゆかしい佇まいをもち、武士道のような美徳が感じられる品です。
冨岡商店 「ずっと使いつづける」ことの豊かさ
冨岡商店は「国指定伝統的工芸品・樺細工(桜皮細工)」の製造元として、世界に類を見ないこのクラフトの価値を、国内はもとより広く世界に発信。「一生に一つ」使い続ける豊かさ、潤いある生活のお手伝いを目指しています。さらに、樺細工をメインに、クラフト全般においても「使いつづける豊かさ」の提案となれるような品々を企画創作し、新人作家の作品発掘も含め、 洗練された、それでいて親しみのある商品を創りつづけています。
二百数十年間受けつがれてきた名工や匠の秘技を今もうけつぐ当店の樺細工。どれもしみじみ愛してお使いただけるていねいな品々です。ぜひお手元にて長くご愛玩いただくとともに、今後とも私たちの活動にご注目ください。