【STARRYペットアドバイザー 加藤ゆかり先生コラム】2020.11.10
「ボディコンディションスコア」について
秋が深まりいわゆる「秋の味覚」を目にするようになりましたね。季節的にも寒さに備えて脂肪を貯め込む季節、うっかりしていると大変なことに(汗)
これは犬も同じ。室内で人の傍にで生活するようになり、常に美味しい食べ物をもらえる環境・・・いつしか肥満ロードまっしぐら。減量するのも一苦労。
今回はそうなる前に知っておきたい「ボディコンディションスコア」についてお伝えします。
《ボディコンディションスコアとは》
見た目と触った感じで肥満度を表す世界基準で「Body Condition Score」の頭文字を取って、「BCS」などと表記されています。(以下BCSと表記)
動物病院にポスター貼ってあるのみたことありませんか?そうです、それそれ。
小型犬なら抱っこして体重計に乗ることが出来るので、家庭でも測定可能ですが、中型犬以上はちょっと、いやかなり厳しい。だからといって体重測定のためだけに動物病院へ行くのも気が引けますよね。
ちなみに、アメリカでは待合室に体重計が置いてあって、いつでも来て計っていいよ~な病院も増えているのだそうです。日本もそうなってくれたらいいなと願いますね。
そいうわけで測定がしにくい環境でも確認出来るのがBCSなのです。
環境省がまとめていますので引用させていただきますね。
《実際に確認してみよう》
ではこちらでは手順を紹介していきますね。
①横から見てウエストのくびれ具合をみましょう。
②上からもくびれ具合を確認しましょう。
③肋骨の部分を撫でるように触って骨がうっすら感じ取れるか確認しましょう。
長毛種やモコモコの子は毛の厚みも考慮し毛の下に手を入れるなどして確認しましょう。
④ 肋骨部から続いてウエスト部分をさわり、くびれ具合や腹部ひだを確認しましょう。
⑤そのまま腰の上の方まで撫でるように触り、骨盤がどの程度浮き出ているかを確認しましょう。
⑥ ①~⑤それぞれをBCS表にあてはめてみましょう。
いかがですか?
ほっとした方、ぎょっとした方、様々だったかと思いますが、ここで終わりではありません。
痩せすぎ太り過ぎどちらもケアが必要になってきます。
痩せすぎは身体を支える筋肉量が低いこともありますので、怪我をしやすくなりますし、体を支えられにくくなることでシニアなどは寝たきりにもなりやすくなります。
太り過ぎは心肺を始め内臓機能に影響が出やすく、また関節への負担も大きくなります。
適正じゃない場合には、かかりつけの獣医師に相談するなどして健康管理をしていきましょう。
《体重にとらわれない》
○㎏という体重だけにとらわれてしまうと、目標体重にすることだけがよいと思われがちです。しかし大事なことは「健康な体かどうか」です。
例えば、ドッグスポーツをしている犬は、動きやすいようにと体重を落とすことが多く見られますが、筋肉がほとんど付いてなく、肋骨や骨盤が浮き出ている状態の子がいたりします。
こうなるとジャンプして着地などの時に体を支えることは出来ないですし、しなやかな動きをすることも難しくなります。
ご存知のように筋肉は脂肪より重いので、筋肉つければ体重は増加の傾向にあります。つまりそこを理解していないと、筋肉量が増えたのに「体重が増えた=減量しなきゃ」となってしまうのです。
○㎏、だけでなく、体を触って状態を知るということをして、健康の維持管理をしていただければと思います。
もちろん、体に触れる時には、今触れてもいいかどうか、の確認(コミュニケーション)を取ること忘れずに。