【STARRYペットアドバイザー 加藤ゆかり先生コラム】2021.11.29
「デンタルケアについて」
このところ急に冷え込んできましたね。先日出張で行った青森では雪が降っていましたよ。そうなるとお出掛けも控え気味。
今回は、そんな時だからこそしっかりケアする時間を取りたい、デンタルケアについてお伝えします。
《そもそも犬にデンタルケアは必要?》
結論から言えば本来はしないもの、ですよね。限りなく雑食に近い肉食である犬たち、食べ物はほぼ丸飲み。大きいものは引きちぎる。なので食べ物が口内に停滞する時間が短いのです(私たちのように唾液中にデンプンを分解する消化酵素が含まれていないのです)。
が、現代の犬たちの食事、市販フードであっても手作り食であっても、そのほとんどが加工食品。となると口内に食べ物が残りやすくなり、そこから歯垢→歯石→歯周病→体各部の疾患、となってしまうのです。
ですから、今やデンタルケアは必須、となりますね。
《どんなケアがいいの?》
デンタルケア用のおもちゃやおやつ、サプリメントなど最近は様々なものが出回っていますが、確実なのは歯ブラシで歯に付いた食べ物のカスを落とすことでしょう。とはいってもこの歯ブラシを使うことについて難儀されてる方が多いのも事実。だからより簡単な、例えば与えるだけのものに頼ってしまう。。。気持ちはよくわかります。でも先にあげたグッズ類はあくまでも補助的なもの。やはり歯ブラシを使ってケアをしていくようにしたいものです。
《具体的にどうする?》
ここでは道具の選び方と導入についてお伝えしますね。
・歯ブラシの選び方
まずブラシがやわらかいこと。歯茎はデリケートなので硬いものだと傷つけてしまいますし、犬が嫌がってしまいます。自分の手の甲をブラッシングして確認しましょう。また大きさは小さすぎても使いづらいので、自身の犬に合う大きさを選ぶのが大事ですが、少々大きい分には支障ないようです。
・道具を紹介
なんだかわからないものを突然口の中にいれられたらビックリしちゃいます。歯ブラシを見せてフード1粒、のように歯ブラシが嫌なものではないことを紹介していきましょう。
・ケア自体が嫌じゃなくなる事前練習
歯ブラシの持ち方や犬をどの位置にいさせるか、どのように保定するのか、しっかりプランを建てて、シュミレーションしましょう。また犬にも歯ブラシを使わない状態で、受け入れてくれるための練習もしていきましょう。(このあたりの細かい方法については“正の強化のドッグトレーナー”に相談することをおすすめします。)
・磨くのではなくブラッシング
歯磨き、というとどうしても力が入ってしまい、結果犬が嫌がってしまいます。歯の汚れを落とす/歯茎の血行をよくするためのブラッシングというイメージですることにより、力が軽くなり、犬が受け入れてくれる率が高くなります。
私のスクールの講座では「お口のケア」という表現をし、歯磨きと言わないでねとお願いします。言葉のイメージで行動も変わりますので、言い方を変えるのはとてもオススメですよ。
食事は毎日のことですから、本来なら毎日行いたいケアではありますが、お互いに無理をせずにケアを始めていかれるのが良いでしょう。そして歯石などになってしまった場合には、個人の判断で歯石を取ったりせず、必ず獣医師に相談してください。
歯を含むお口の健康は体全体の健康。今日から少しずつ始めてみてくださいね。