【STARRYペットシッターコラム】2019.1.29
ペットシッターの渡部暢子の日々のつれづれ vol.3
「いつも通り」と「いつもと違う」
今回は自宅で一緒に暮らしている、フレンチブルドック:ミルクのお話しです。
今から2年前にミルクが膵炎(すいえん)になりました。
その日、いつも通り朝を起きて、真っ先にワンコのケージを開けにいきました。
いつもは一目散にケージから飛び出し、リビングを走り回ったり、ソファーの上で転がったり、
猫と遊んだりするのですが、その日は飛びだす事はなく、歩くスピードでケージを出たのです。
「あれ?」と思ったのですが、食欲もあり、吐く様子もなかったので、
「まぁ、そんな時もあるかな・・・」と思い、会社に行きました。
しかし、朝の様子がどうしても気になり、お昼に一度家に戻ったのです。
そうするとケージの中に何カ所も吐いた後があり、一目見ただけでこれは何か異常があると感じました。
病院にいくと膵炎と診断され、一時は危険な状態になりました。
普段から口にする物には気を付けているつもりでしたが、その頃仕事が忙しく留守しがちだったり、
そんな時にフードを変えたりと負担がかかっていたのかなと、とても後悔しました。
その後順調に回復し、1週間程で退院しました。
今も元気に暮らしていますのでご安心ください。
飼い主様が一度は感じた事がある「あれ?なんかいつもと違う」という違和感。
取り越し苦労の事もありますが、この違和感はスルーしない方がいいと思います。
ご飯を食べているか、吐き戻しがないか、ウンチ・おしっこの状態はもちろんですが、もっと細かい部分。
「なんか元気ないな・・・。」という感覚です。
例えばミルクの場合、猫との遊びや部屋を駆け回る等いつもの儀式をしていないとか、
目に力がないとか、膝の上に乗ってこないとか。
膵炎になったその日の朝も、ごはんの食いつきはよく完食していました。
その後も時々胃腸の調子が悪くなるのですが、食欲にはあまり症状が出ないようです。
ぺットシッターの場合、ペットの異変にいち早く気づくために、事前の打合せでの聞き取りと
お世話後の報告がとても重要となります。
毎日一緒に暮らしている子であれば、いつもとの違いがわかりやすいのですが、ペットシッターの場合、打合せでお会いして、すぐにシッティング当日というパターンが多いので、
事前の聞取りを大切にし、合わせてお世話後の報告で、飼い主様に「あれ?」と気付いていただけるよう、
出来る限り詳細にお伝えしています。
逆にこんな事出来事もありました。
ペットシッターは飼い主様がお留守の時だけではなく、お散歩の代行等、定期的にお世話に伺う事もあります。
ある時にお散歩中のワンちゃんが足をスキップするような仕草をしており、動画を撮って報告しました。
いつもスキップのような仕草をしていたので、これが普通だとに気に留めていなかったようですが、
すぐに主治医に動画を送ってくださり、後日病院で診ていただけました。
結果その子は大きな疾患はなく、今も元気にお散歩出来てきます。
ペットシッターは獣医ではないので、当然その子を診断したり、病気を直したりはできません。
出来ることは、なんか変だな?と気付いたり、それをお伝えすることです。
私も一飼い主として。「いつも通りを疑って、いつもと違うをスルーしない」を心掛けています。
動物たちは我慢強く、弱さを隠そうとするようです。
見るからに具合が悪い時には既に進行している事もあるようなので、出来る限り細かく観察して、
小さな変化を見逃したくないと思います。(神経質にならないというのも私の課題ですが・・・)
言葉が通じないない分、彼らの事をもっともっと知る必要が私たちにはありますよね。
「私はなかなか奥深いわよ」と、ミルクは思っているかな(笑)
では、次回もお楽しみに!